困った入院患者たち第一位!

そのお爺さんと一緒になったのは集中治療室でした💦
集中治療室は重症患者が入るところで、医師、看護師が即対応できるよう敷居もカーテンもなく、聞こえるのは様々な機械音だけなんです。いや、その筈でした💦
集中治療室で意識が戻ったのは入院後2週間が過ぎた頃でした。意識が戻ったと言っても、夢と現実の区別がつかない「せん妄」状態が続き、変な夢ばかり見ていました。
ある時は料亭に居たり、ある時は某宗教団体の式典に居たり、ある時は船上に居たり、バスに乗ってたり、看板のないラーメン店に居たりと支離滅裂なんです。
そして、不思議にどの夢でも天井はいつも一緒で、集中治療室の天井なんです。
さらに不思議なのは、目が覚めても鮮明に夢を覚えていて、なかなか現実に戻れないという日々が続いておりました。
そんな夢うつつの状態でも、文句ばっかり言ってるじいさんが近くにいると感じてて、ある夢ではナースと協力してじいさんを懲らしめる、時代劇風の夢も見ました。目が覚めると、実際にうるさいじいさんが隣のベッドにいるのでした💦
前置きが長くなりましたが、困った入院患者の第一位は、「文句の多い、地声が大きいじいさん」になります💦
第二位と基本は一緒なんですが、とにかくうるさくて、レベル(規模と頻度)が段違いなんです💦
私も病状が良くなってくると、隣のじいさんの状況も見えてきて、どうやら、初めての入院で、とにかく「暴れん坊性分」のじいさんなんです。
初めての入院。出だしが集中治療室ということもあり、不安が募り、ナースが側にいないと心細くて仕方のないじいさんなのでした。
集中治療室は常時ナースがいてくれて、有事の際の対応に備えてくれます。したがってナースコール装置がなく、口頭や手ぶりでナースを呼ぶんですが、そのじいさんは常に大声で、「おーい、誰かー!」とナースを呼ぶのです。聞こえるところにナースはいるっつーの。まったく遠慮がありません。ひどいときなんかは「おーい!助けてくれー!」とか言って呼びつけます。
そして、1分以内にナースが来ないと、「おい!何ですぐ来ないんだ!」と怒り出す始末。それも大した用事ではないんです。
「今、何時?」とか、「喉乾いた。なんか甘い飲み物買ってきて」とか、「この管抜いてくれ」とか、「腹減ったとか」、「電気消してくれ」とか、どーでも良いことや、出来もしないことばかり何度も何度も。
ナースも常駐してはいるものの複数の患者の世話をするわけで、1時簡に何度も同じ要請の繰り返しに、たまったもんじゃありません。
このじいさん、入院が初めてでどう対処していいかわからない(何を頼んでいいかわからない)様子なんですが、それに加えて「耳が遠い」ということ、「認知症が始まっている」ということが判明しました。
耳が遠いので人の気配を感じられず、ナースがちょっと待っててくださいと言っても聞こえず。すぐ来ないと怒り出す始末。補聴器とか付けろっつーの💦
また認知症のせいか、日時の感覚が麻痺し、昼夜逆転。「今何時?」を繰り返しておりました。ちなみに時計がじいさんの見える場所に配備されているのに💦
治療の一環として、「お名前、生年月日を教えてください」「今日はいつですか?」と聞かれます。「ここがどこだかわかりますか?」の問いには、「ブラジル」とか答えていました💦早く集中治療室を脱出しないとこっちまでおかしくなりそうです💦
「耳が遠い」、「認知症」に、さらに加え、「我慢」ってことを知らないじいさん。安静が絶対なのに、装置の管を抜こうとしたり、曲げてはいけないと言われてる場所を平気で曲げちゃったりで、よく見ると両手を拘束されていました。これもじいさんのストレスを増長させているのでした。自業自得です💦
あまりに態度が改まらないので、ナースのリーダー格の人が丁寧に病院のルールや治療の意味を伝えたり、家族を呼んで家族から注意してもらったりしたのにも関わらず一向に改善されないじいさん💦
家族がじいさんの趣味という「折り紙」を持ち込んで、一時静かになって、完成品をナースに配ったり、一定の効果はありましたが、折り紙はせいぜい2~3時間しか持たず、また大暴れ💦
たまらないのはナースで、大抵のナースはある程度あしらっているのですが、担当ナース(集中治療室を出るまでの責任者)はかわいそうです。なまじ気に入られてしまった(運悪く名前まで憶えられてしまった)ナース。そして一向に収まらないじいさんのオーダリング。
「俺の方は後でいいから、じいさんの対応してきなよ」と、何度慰めたことか。それでも「仕事ですから」と健気なナース。ほんと頭がさがります。
私の方も、昼夜逆転で、夜中大暴れのじいさんに連日の寝不足。何とか集中治療室を脱出しないと、と決意し、一般病棟に戻るためのリハビリ(食事中心のリハビリで点滴から口からの食事への移行が条件)に必死に取り組みました。
その甲斐があって何とか一般病棟に引っ越しが決まり、世話になったナースに見送られて一般病連に。これで、一か月に及ぶじいさんとの共同生活ともおさらばです!「ヤッホー!」。ほんとにうれしかったです。
集中治療室ではじいさんが先に入って、同じ心臓病の先輩だったのですが、努力でじいさんを追い抜いたのです。食事リハのナースがまた美人で、それも頑張れた大きな要因です(危なく恋に堕ちるところでした💦)。当初は鼻から点滴で栄養補給してたのが、流動食に移行、咀嚼の練習を重ねて硬い食事に移行していきました。
一般病棟と言っても、ナースステーションに一番近い4人部屋です。一般病棟はカーテンで仕切られており、ナースも常駐していないので、用事があるときはナースコール装置を鳴らします。
4人部屋は準集中治療室的な部屋で、女性もいるとのこと。少し様子を見て、容態が安定しているようなら6人部屋に移動するという説明でした。
認知症のおばあさんの声が聞こえる部屋ですが、じいさんとの共同生活よりは全然ましで、睡眠も十分とれていました。
すっかり安心して4人部屋でリハビリを続けていると、ある日、聞き覚えのある声がカーテン越しに。なんと!!じいさんが追っかけて4人部屋へ移動してきたのでありました💦
4人部屋で幸せに暮らし始めた矢先の悪夢でありました!
即、一般病棟のナースに集中治療室の共同生活の事情(悲話)を披露。早速の部屋替えを懇願しました。ナースもベッドが空き次第の引っ越しを確約してくれました!がベッドが空くのがその日という訳に行かず。数日をまた一緒に過ごすことに。
少しはマナーやルールを学んだかなと期待しながら夜を迎えました。大分改善したのかなと眠りにつくと。丑三つ時「おーい!助けて~」を連呼!
ナースコール押せっつーの。助けてはこっちだわ!
あまりにしつこく連呼するもので、「静かにしてください!何時だと思ってるんですか!ナースコール押してください!」と結構大きな声で怒鳴ったのです。良く聞こえないのか、少し沈黙したみたいですが、また。「おーい!助けて~」を連呼!こうなると実態を見てもらう良い機会と思い、代わりにナースコールした次第です💦
ナースが「どうしましたか?」と聞いてきたので、私は隣のじいさんを指差し、ナースは騒いでいるじいさんに「どうしましたか?」と再度が聞くと、「なんですぐ来てくれないんだ!今何時?」だって!
まだ2時だっつーの!!その後すっかり覚醒してしまったじいさん。どうでもいいことで明け方まで騒いでいるのでした。
事の重大さを把握してくれたナースが色々手を回してくれて、数日後、晴れて6人部屋へお引越し。ナースに見送られてかなり離れた病室に。
その後、夜な夜な続く「おーい!」のじいさんの声を遠くに聞きながら。ぐっすり眠った私だったとさ。
おしまい。

困った入院患者たち第一位!後書
集中治療室から一般病棟にかなりの速さで移動できたのは、ひょっとしたらじいさんのお陰かも。それこそ神様が与えてくれた試練なのかもしれませんね!じいさんに感謝。いや!そんなはずはありません!実力です!頑張ってる健気なナースに感謝!!

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